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『あなたの会社が90日で儲かる』は価格競争に陥った人がビジネスの見直しをするヒントになる

早川朋孝 早川朋孝
ECコンサルタント

神田昌典さんの『あなたの会社が90日で儲かる』がロングセラーなのには意味があります。一見して怪しいタイトルと装丁なので「誰でも簡単に100万円稼げる」みたいな怪しげな本の類書かと思ってしまいがちですが、さにあらず。1999年に出版され、2024年10月23日で51刷なので、息の長い書籍であると分かります。私の感覚だと、すぐに役に立つビジネス書はすぐに役に立たなくなります。だから一瞬で販売部数が伸びるビジネス書はすぐに売れなくなります。しかし本書はいまだに発行されているのです。

以上のことから、『あなたの会社が90日で儲かる』は目先の売上を伸ばすのには役立てるというより、どうやって販売戦略やマーケティング戦略を構築するかを考える際に大きな助けとなります。例えば「突然自社の商品が売れなくなった。どうも競争が激しくなっているようだ」とか、「薄利多売でやっていたけど最安価格をとるのが限界になってきた」のように、行き詰まりを感じているネットショップや小売り業の人にとって、自社の事業の見直しをするヒントとなり得ます。

本書には紙のチラシに関する内容が出てくるなど、日頃デジタル広告を使っている人にとっては古く感じる部分もあるかもしれませんが、紙のチラシでもデジタルでも広告の基本は変わりません。本書は小売り業はもちろんB2B、製造業など販売や営業に関係するビジネスマンに広く有益です。今でも本屋のマーケティングの棚に行けば、このピンクの装丁の本がたいていは売っています。未読の方はぜひ探してみてください。

では、小売業を営んでいる人にとってヒントになりそうな箇所を少し紹介してみましょう。

  • エモーショナル・マーケティングとは
  • 安売りはバカにやらせておけ
  • 人は理屈では買わない
  • ニーズとウォンツ

エモーショナル・マーケティングとは

ほとんどの会社は、人間の感情を考えていないで、ビジネスをしている。だから本来得るべき売り上げや効率が得られないのです。

感情を刺激して、相手の反応を誘発させる。そうすれば、お客さんからあなたに声がかかる。お客さんが、あなたを見つけることができるようになる。すると飛躍的に営業効率がアップします。

これが、エモーショナル・マーケティングです。

『あなたの会社が90日で儲かる』 p8

SNSなどで感情を煽る手法が支配的な今日では、エモーショナル・マーケティングはもはや当たり前となりました。だからこそ理解が曖昧な人は、その定義をここで改めて確認しておきましょう。営業の際にやたら理屈や理性だけに頼るのは禁忌です。人は常に合理的な判断をするとは限らないのです。これについてさらに詳しい理解したい人は『ファスト&スロー』などを読むといいでしょう。

安売りはバカにやらせておけ

お客というのは、購入しようとする商品・サービスの価値が、支払う金額よりも高いと感じたときに購買決定する。

p41上記のように書いてあります。当たり前のことを改めて言語化して認識することは大事です。大事な部分は線を引いて何度も音読すると、知識が身体化して、必要なときに引き出せるようになります。

商品の販売において、価格競争に陥るのは絶対に避けなければいけない状況です。ただし開業時や開店時など、一時的に価格を安くして注目を集め、商品やサービスや店舗のことを知ってもらうのは有効でしょう。つまり、必ず安売りしてはいけないわけではなく、要は使いどころです。あなたの利益の源泉となる商品で安売りしてはいけないですが、客寄せになる商品で安売りするのはOKでしょう。

ネットショップで最安価格で商品を売る事例に関して興味がある方は「楽天売れない」は準備不足。無名で初出店・広告なしで9日間で売上70万円達成したのにやったことの記録をご参考ください。

ひとは理屈では買わない

人間は、理屈では買わない。感情で買う。そして、その後に、理屈で正当化する。

例えば、車を買うためにショールームに行くとする。このときには、すでにこの車が欲しいという感情がある。ショールームに行くのは、欲しい理由を正当化するためである。営業マンに関して、「やっぱ、この車は最高だわ」と納得するわけである。このように欲しいという感情が先にある。その感情を正当化するための理由が、理屈なのである。

この順番を間違えると、致命的だ。

お客に欲しいという感情が起こる前に、売り込みをかける。すると、お客の側には、とたんに不買心理が起こる。できるだけ、あなたの話をきかないようにする。

『あなたの会社が90日で儲かる』 p48

ただし、お客さんは感情だけで一時的に「欲しい」となっても、必要か冷静に判断するものです。理屈や理性だけに頼るのは禁忌と上述しましたが、感情だけに訴えるのも危ういものです。つまりバランスの問題です。まず一目見て「欲しい」となるような魅力的な商品であることに加え、その魅力を論理的に説明できれば最高の商品であると言えます。

ニーズとウォンツ

人間は、必要性だけでは商品を買わない。ウォンツ、すなわち、欲求がないと購買という行動に向かわないのである。

『あなたの会社が90日で儲かる』 p212

日用品のような必要性に訴える商品を売る場合は価格競争に陥る可能性が高いので、差別化が極めて大事です。うちは「大手でもないし資本もないけど、日用品を主力商品として売っている」という会社にこそ、この点を考えてほしいです。価値観や理由付けができないと事業の継続は厳しいでしょう。「必要かつ欲しい」という切り口を用意できれば最高で、常にそれを考える必要があります。世の中は刻々と変化するので、一度「必要かつ欲しい」が整ってもすぐに状況は変わります。だから細かい修正や見直しが常に必要なのです。その時に指針となるのが本書です。

最後に

最後に組織内での本書の活用方法をお伝えします。例えば事業会社がネットショップやEC事業を部署で運営しているとか、システム開発会社の営業チームなどそういう場合に本書を基本書にすれば、共有知に基づいて事業を進められるので、円滑に販売事業が回ります。平易な言葉で書かれた本書の活用方法としては最上のものと言えるでしょう。

このブログを書いてる人
早川 朋孝 ECコンサルタント
Dx、AI活用、データ分析、マーケティング、会計などワンストップで御社EC業務を支援します。特にAPIの扱いが得意で、20年の経験とAPIを組み合わせての提案は、他社は簡単に真似できません。
プロフィール
EC業務のDxの相談のります
趣味は読書、ピアノ、マリノスの応援など

EC運営のRPAを支援します

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