自社ECや自社ウェブサイトの運営に際して、Googleアナリティクスで自分や関係者のアクセスを除外することは死活的に重要です。欲しいのはお客さんや見込み客のデータなのに、関係者のアクセスが入るとノイズが混じってしまい、データとしての価値が減じてしまいます。関係者によるアクセスを除外するのは、一般的にはIPアドレスやcookieを使うことが多くGA4にもその機能があるのですが、いろいろと試行錯誤してもどうしてもレポートに自分のアクセスが載ってきてしまう状態が続きました。今回はやっと関係者のアクセスを除外することに成功したので、その方法をお伝えします。
目次
- だいたいの流れ
- 使うツール
- タグマネージャーの設定
- GA4で確認
- 「探索」で自分のセッション除外しよう
- おまけ
だいたいの流れ
最終的に、特定のイベントを意図的に発生させ、そのeventを含むセッションを除外するレポートを作成する、ということができればアクセス除外は完成です。まず、大まかな流れは以下の通りです。
- 関係者は特定のクエリーを付与して自社サイトや自社ECにアクセスする
- 特定のクエリーでアクセスされた場合、指定のcookieを付与する
- cookieを含むアクセスの場合、タグマネージャーからGA4にイベントを送信
- GA4でイベントを受信
- イベントを含むセッションをレポートから除外
使うツール
使うツールやシステムは以下の通り。
- Google Analytics
- TagManager
- DataLayer
- tagassistant
- WordPressなどのCMS
- Chromeの検証
タグマネージャーの設定
タグマネージャーの設定に関しては、以下の記事を参照してください。
https://aogiri.net/blog/analytics/ga4_internal_traffic.html
【GA4】社内アクセス除外方法(IP変わってもOK)
基本的な設定はこの記事で紹介されている通りにすればOKです。確実にCookieを設定してください。ただし注意点が二つあります。
1.Chromeの検証で確認
上で紹介した記事の設定ができたら、Chromeの「検証」で確認します。確認したいurlの末尾に?internal=trueをつけてアクセスし、右クリックで「検証」すると、以下のような画面となります。「Application」→「Cookies」→ URLから「gtm_traffic_type」の値が「inetnal」となっていればOKです。

2.タグマネージャーでGA4にイベント送信
上で紹介した記事はタグマネージャーの「タグ」の設定画面が今の仕様より少し古いので調整が必要です。以下のキャプチャを参考に「タグの種類」「イベント名」と「イベントパラメータ」を確実に設定してください。パラメータ名はなんでもいいのですが、ここでは仮に「internal_access」としておきます。「イベント名」は覚えておくことが重要です。GA4で使います。

GA4で確認
首尾よくCookieの設定ができたら、GA4のレポート「リアルタイムの概要」で確認しましょう。確認したいurlの末尾に?internal=trueをつけてアクセスすると、「イベント数」に「internal_access」とあれば成功です。表示されない場合は、ここまでの必要な設定のどこかが間違っているので、ひとつずつ見直しましょう。

「探索」で自分のセッション除外しよう
あとは「探索」の「自由形式」の「セグメント」でイベント名「internal_access」を含むセッションを除外すればいいです。下記画像のように「次の条件に当てはまるセッションを除外する」で設定できます。
注意点として、実際に「internal_access」のイベントをGA4で受信していないと、探索作成時に選択肢に出てきません。GA4の設定はデータの反映に数時間〜1日かかることもあるので、すぐに出ない場合は時間をおきましょう。

注意点
探索で除外した初めて、自分のアクセスを除外したレポートを閲覧できます。これはかなり重要な点で、例えば「リアルタイムの概要」では測定されますが、それはGA4の挙動として正しいのです。というのも、「リアルタイムの概要」は対象が「全てのユーザー」となっているからです。全てのユーザーである以上自分も含まれるのは当然ですね。
おまけ
業務にChatGPTなどの生成AIを活用している方は多いと思います。私も部分的に使っていますが、このGA4のアクセス除外に関してはまったく役に立ちませんでした。というのも、GA4やタグマネージャーの設定や運用状況は人によって大きく異なるのですが、生成AIはこの記事のようなGA4の情報をネットで学習し、学習した内容を元にそれっぽいパターンをその都度生成しているに過ぎず、一般論を水で薄めたような情報しか提供しません。生成AIの提示通りにやっても、望んだ結果はそう簡単には得られないので鵜呑みにしないようにしましょう。




