楽天やAmazonなど多店舗の在庫をネクストエンジンで連携していて、楽天だけスーパーセールがあるから在庫を増やしたいとか、Amazonだけプライムセールがあるので在庫を増やしたいなど、一時的に特定のモールの在庫を増やしたいことありますよね。こういう場合はどう運用すれば、在庫のトラブルを減らせるでしょうか。RMSを例に運用方法の例を紹介します。
目次
- ネクストエンジンの在庫連携の仕様を把握しよう
- 作業手順書を作成する
- 在庫を照合する
- 注意点
ネクストエンジンの在庫連携の仕様を把握しよう
ネクストエンジンの在庫連携は絶対値で上書きされるわけではないので、楽天ならRMSで在庫を増やせばいいだけです。難しいことはありません。
ただし、楽天の在庫が動いて、それがネクストエンジンのフリー在庫を上回ると、引き当てに回らない状態になるので注意が必要です。例えば、ある商品のネクストエンジンのフリー在庫が100、楽天の在庫が300だとします。スーパーセールで楽天店舗で250売れたとします。この場合、ネクストエンジンは100以上のフリー在庫を引けないので、在庫の引き当てが止まってエラーとなります。
こうならないためにも、ネクストエンジンの在庫連携の仕様を確実に把握しましょう。特に重要な点を以下にまとめます。
- 在庫連携は絶対値で上書きされるわけではない
- 在庫数が動くのは動いた分だけ、つまり相対値
- 各モールやカートの受注データがネクストエンジンに入ってきて、ネクストエンジンの在庫が動く
- ネクストエンジンで手作業で在庫を動かしても同様
- ネクストエンジンの棚卸し機能でも差分があれば各モールに反映される
- 在庫連携するのは、だいたい10分で300点くらいが上限
- 在庫の動いた商品数が300点を超えると、反映は順番待ちとなる
要約すると、ネクストエンジンで在庫が動いたら、その分だけが楽天やAmazonなどの各店舗に反映されるということになります。
作業手順書を作成する
RMSで在庫を増やしたはいいけど、セール終了後に増やした分を戻さないと面倒なことになります。商品数が多いとさらに面倒なことになります。間違いがないように、作業手順書を用意して、それに沿って運用しましょう。こうしておけば、担当者が変わった場合などにも対応できます。
特にCSVで在庫更新する場合、慣れていないとけっこう難しいものです。CSVはエディタは何を使うか、文字コードは何かなど注意すべき点がけっこう多いです。また商品数が多いとダウンロードやアップロードに時間がかかり、ファイルを分割しないといけない場合などもあります。公式マニュアル通りにやっているのにエラーがでて更新できないのような事態に陥りやすく、一度こういう沼にはまるとなかなか抜け出せません。できる限りツールやマクロ、APIなどを使うほうが安全かつ確実です。
在庫を照合する
在庫数を戻したら、照合しましょう。ネクストエンジンのフリー在庫と楽天や他モールの在庫数にズレがないかを確認します。商品数やSKUが少なければ、エクセルやCSVでも十分です。ネクストエンジンのカスタムデータなどで在庫リストをダウンロードし、その商品IDを起点に、別シートにRMSの在庫などを貼り付けてvlookup関数などを使えば照合できます。私の経験上、取り扱い商品数が24万点あろうと、そこそこ性能のいいパソコンであれば、照合は2〜3分くらいで終わります。マクロを組めばもっと簡単です。
手作業での在庫照合が面倒な場合は在庫監視ツールやマクロ、APIを使えば便利です。ChagGPTなどに指示して、スーパーセールの前後の時にだけ動かす在庫更新プログラムを組むくらい、APIやプログラムの知識がない人でもできます。ぜひやってみてください。
注意点
以上書いたことはネクストエンジンやRMSなどソフトウェアでの在庫に関することです。当然ですが、セールに際して、物理的な物理な在庫を倉庫に確保しておくなどの準備は必要です。物理的な在庫管理ができていないと、ソフトウェアで扱う在庫数などなんの意味もありません。特に実店舗とネットショップで在庫を共有している場合や、海外から商品を輸入している場合などは、注意が必要です。海外からの輸入品は税関で問題が発生したり、外交問題や災害などで輸出入が止まったり想定しない事態が起きやすいです。はやまって空売りなどをしないようにしましょう。




