2026/1/19の日経MJに「トレンドマップ2025下半期」というものが掲載されていました。その「マーケティング分野」のトレンドマップでは、EC(ネット通販)が将来性が高く収益性も最も高い位置に掲載されてありました。これらかもEC参入業者は増えるだろうし、そして日本の人手不足は加速します。EC運用においても業務の効率化はどんどん進めないといけません。
そこで、この記事ではEC運用において事業が成長するのを加速させるRPA(業務の自動化、効率化)の事例を紹介します。日頃あなたが当然のごとくしている手作業や、属人化されたEC業務は、実はRPAできるかもしれません。また、RPAが高度化されたような存在であるAIエージェントの導入される日も目前です。EC業務におけるAIの今後の可能性についても少しお伝えします。
目次
- RPA未対応はEC事業成長の足かせ
- EC運営でRPAできる業務11選
RPA未対応はEC事業成長の足かせ
RPAできる業務なのに未対応であることは、EC事業が成長する足かせになります。非IT人材によるCSVの無駄な手作業や、売上集計を手作業などですることは、社内人材の疲弊の原因となり得ますし、それが続くと退職につながります。システムで自動化できることは、最大限自動化したほうがいいのです。私自身、かつて受注業務や物流が未整備のため尋常でない苦労をしたことがあります。その時はプログラムはたいして書けず、RPAという言葉もありませんでしたが、EC事業においてITリテラシーが低いことは厳然たるコストなのです。
EC運営でRPAできる業務
では、EC事業の成長を加速させるRPAの例を紹介していきます。基本的なことから、意外と知られていないこと、応用編まで様々なPRAの事例を紹介します。
受注処理
もっとも基本的なRPAです。複数のECモールを運営していると受注処理が大変なので一つのシステムで管理します。ネクストエンジン、クロスモール、BOSS、TEMPOSTARなどがあります。ここでいう「受注処理」とは出荷指示書の作成、伝票の作成、物流倉庫への出荷指示、また出荷伝票番号を楽天に入力するなどを含みます。
在庫書き出し
倉庫に預けてある在庫を把握するのに、スプレッドシートなどを活用している会社は多いと思いますが、そういった業務はAPIでRPAできます。手作業のCSVダウンロードやエクセルの加工は不要です。GASやマクロなどでは限界があることも、RPAでさらなる効率化ができます。在庫書き出しをRPAすると、言うまでなく発注や会計に役立ちます。
在庫連携
複数モールや実店舗で商品の在庫を共有したい場合も、在庫連携のRPAで処理できます。これによって販売機会損失を未然に防ぐことができ、また、欠品の可能性を減らします。複数モールやカート運営において死活的に重要な内容です。
最安価格調査・維持
楽天やAmazonで指定の商品の最安価格を調査したり維持したい需要は多いです。また最安価格を維持できない場合に、商品の出品をやめるなどの判断も大事でしょう。そういった価格管理にまつわる業務もRPAできます。基本的にAPIがある機能はRPAできると考えて問題ありません。
発注
発注だけは自分でやってるというEC運営会社の社長をけっこうしっています。大事な業務なので他者には任せられないと、自分でやろうとするのです。しかし正確に在庫を把握し、統計やAIを活用することで、適切な発注量は自動で算出できます。年に1回のセールのようなイベントを除き、日常においてはRPAするとEC運用がグッと楽になります。人にしかできないもっと大事なことに時間を使いましょう。
商品登録
商品登録くらいになると、RPAできるか微妙になってきます。特に自社開発のこだわりのオリジナル商品を扱っているというような会社には、商品登録のRPAは難しいかもしれません。いっぽう、特定の卸問屋から大量の商品を仕入れているというような形態なら、商品登録でRPAできる余地が大きいです。基本的に数万点を超えるような取り扱い商品がある場合は、RPAを検討しましょう。
例えば、楽天初出店の準備でネクストエンジンでの在庫管理や商品登録をRPAし、広告なしで開店からの9日間で売上70万円を達成した事例があります。詳細は【実録】無名で楽天に初出店、広告なしで9日間で売上70万円、転換率6%に準備したことをご覧頂くとして、事前にRPAなどで周到に準備すれば無名の店舗でもちゃんと売れるのです。
利益計算
これは日常のEC運用にといて基幹システムにちゃんとデータを入力していれば難しくありません。ちょっとさぼったりしてデータがたまると途端に面倒になります。そのためDBへの売上や在庫の入力はAPIでRPAするのが基本です。データを管理できていれば、今どきは生成AIがSQLを書いてくれるので、自然言語でデータの抽出や分析ができます。
画像処理
特にこだわりの自社開発の商品を扱っている場合、きれいない商品画像の撮影は専門のカメラマンに依頼するのが基本です。ただし、一度撮影した後は、セールのために商品画像にバナーをつけるなど加工したい場合もあるでしょう。あるいは大きさを揃えるなども大事です。そういった決まったパターンの画像処理ならRPAできます。
会計処理
ネットショップの売上は会計上は売掛金となることが多いです。例えば、楽天で商品が売れた場合、楽天から自社に入金があるまで時差があります。その売れてから入金するまでの間は売掛金という資産として帳簿に計上します。小さい規模のECならそこまでする必要はありませんが、毎月試算表を作る必要がある会社や、経理担当者や経理代行会社に自社のEC業務が負担をかけている場合、RPAを検討したほうがいいでしょう。
freeeやマネーフォワードなどはAPIが充実しており、EC絡みの経理業務もRPAできます。freeeに関しては、ネクストエンジンの外部アプリがあるのでその部分はすぐにでもRPA可能です。
社内連絡
社内の連絡にChatworkやSlackを使っている会社は多いと思います。ECを運用している会社なら、Chatworkの特定のスレッドにお客さんからの問い合わせを集約したり、RMSやShopifyから手作業でデータをはりつけたりしていると思います。そういう業務もある程度はRPAできます。ChatworkもSlackも例によってAPIが充実しており、会社ごとに固有の業務をRPAできるのです。
お客さんへの問い合わせをAPIでDBに自動登録して、AIに学習させれば回答文を生成AIに作らせることもできます。ただし、学習させる問い合わせデータが少ないうちは精度が低いので、最終的にそれを送信するかは人間の判断が必要でしょうが、人手不足の時代に問い合わせの下書きを自動化できるのは大きなメリットです。
アクセス解析レポート作成
自社ECのアクセス解析や指定のキーワード順位のレポートを毎週作成しているEC担当者が世の中にはたくさんいるでしょう。特定の担当者に依存していて、その人が退職することになって社内大パニックなどよくある話です。しかしアクセス解析レポート作成のような、決まった作業もAPIでRPAできます。そもそも自動化できていれば、担当者が退職する可能性も減るでしょう。RPAは重要です。
なお、作成したレポートにはデータが掲載されているでしょうが、そのレポートの元になる構造化データをAIに渡せば、分析もしてくれます。これについて詳しくはアクセス数だけ見て分析が終わるから卒業!「GA4をAIに分析させよう」をご覧ください。
ご案内
生成AIやAPIを使ったECのRPAの相談承ります。ネクストエンジン、BOSS、楽天、Amazon、Shopify、Yahooショッピング、メルカリなどのEC関連のAPIはもちろん、Freeeなどの会計ソフトも含めたEC運用の効率化、マーケティング、分析をサポートします。お困りのかたは
お問い合わせください。詳細はECのRPAのサービス案内のページをご覧ください。




