楽天やAmazonなどネットショップを始めて少し軌道にのってくると、在庫管理の壁に当たります。それまで時間がかかっていなかった自己流の在庫管理に、多くの時間を要するようになります。SKUが増えてきて、注文が増えてきてなどの理由で管理が追いつかなくなり、やがて空売りなどの事故を起こします。これは絶対に避けたいでしょう。
ネクストエンジンやクロスモールなどの在庫管理システムを導入しようにも、ネットショップを始めて間もない段階では、そこまでの費用をかけられない事情もあるでしょう。そこで、エクセルやスプレッドシートなどを使って一人で気軽にできる在庫管理方法をお伝えします。決してむずしくはないので、ぜひ挑戦してみてください。
「在庫管理を自動化したい、できれば簡単に」
今回はRSLやFBAを利用しているネットショップ店長を対象に、経験20年のITコンサルタントが、簡単にできる在庫管理の方法をお伝えします。
一人ECの在庫管理を効率よくするための条件
- スプレッドシートまたはエクセル
- SKUはできれば100以内
- API利用申請
- Python実行環境
API連携のアプリなら在庫確認や売上の集計など毎日のエクセルやブラウザの手作業が不要になります。手入力もCSVダウンロードも不要で、ヒューマンエラーとはおさらばです。不毛な作業から解放されて、大事な業務に専念できます。あなたも今すぐに快適な在庫管理を始めてください。
在庫管理システム作成にChatGPTは使えるか?
在庫管理システム作成にChatGPTは使えます。私のお客に、プログラムは分からないけれど、ChatGPTに指示して自前の業務アプリを作っている人がいます。とはいえその人は、エクセルのマクロなどに詳しいので、まったくのプログラム初心者というわけではないので、ChatGPTへの指示も正確にできるのでしょう。そういう知識のある方は、積極的にChatGPTを使った自動化を試すといいでしょう。プロンプトはできるだけ具体的に書けば、効果は上がります。
ChatGPTからAtlasというブラウザが発表されました。こういったAIエージェントを使えば、例えばCSVのダウンロードするなどのブラウザの手作業も自動化できるでしょう。しかし、以下のような疑念を完全には払拭できません。
- CSVダウンロードがなんらかのエラーでできない場合に、対処できるか不明
こういった不安もあるため、APIを使うほうが安全かつ確実に在庫管理を自動化できます。もしAIを利用するなら、自動化処理のプログラムをAIに書かせるのがいいでしょう。
APIの独自アプリのメリット
API連携で独自のアプリを作れば、あなたが抱えている以下のような課題に応じて、機能をカスタマイズできます。
- RSLの在庫をスプレッドシートやエクセルに書き出す
- Amazon FBAの在庫をスプレッドシートやエクセルに書き出す
- 各倉庫の在庫が一つの画面で分かる
- 発注点管理にも使える
では、詳細に見ていきましょう。
RSLの在庫書き出しはBOSSのAPIが必要
RSLの在庫をエクセルやスプレッドシートに書き出すには、BOSSのAPIが必要です。これには利用料金が月額5000円かかります(2025/10/21時点)。経費として割り切ってください。エクセルやスプレッドシートの不毛な手作業を毎日するのに比べれば安いものです。申請には多少テクニカルな質問に回答する必要があります。たいてい審査は数日で終わります。
申請についての詳細はRSLの在庫を書き出したい人はBOSSのAPIが必要なので利用申請しようを参考ください。
FBAのAPI在庫書きだしはセラーセントラル大口契約が必要
また、FBAの在庫をAPIで書き出すにはセラーセントラルの大口契約が必要で、こちらは月4800円かかります。アプリの申請はセラーセントラルの管理画面で完結します。個人情報を扱うなど面倒な申請をしなければ、すぐAPI利用許可がおります。
FBAのAPI利用申請はセラーセントラルでアプリ申請をしてSP-APIでEC業務を自動化しようを参考ください。
APIの準備が整ったら、次はプログラムが必要です。次回の記事ではChatGPTに指示してAPI連携のプログラムを作る方法をお伝えします。また私の書いたサンプルコードも用意します。お楽しみに!




