生成AIの進化のおかげで、プログラムの知識がない人でも自分でRPAができるようになりました。これはEC運用をしている人には大きな恩恵です。数年前なら開発に少なくとも数百万円はするような案件を、生成AIを使えば自分でできるようになったのです。私はずっとIT業界にいるので肌感覚で分かりますが、ソフトウェアを作る能力という価値が確実に下がりました。
例えば、いまあなたが従量課金制のシステムを使っているなら、その一部分を自分(あるいは社内の内製でも外注でもいい)でRPAすることで、EC運用の費用を浮かすことができます。
この記事では、そんな事例を紹介します。ECサイトのRPAをChatGPTで実現した事例です。私のお客さんが、ChatGPTを使ってAPIとPythonのソースコードを50ファイルくらい作りました。
とはいえ、自前のPRAの要件としては、自分でマクロを組む程度のITリテラシーは必要だと思います。そもそも「こういうことができる」というイメージがないと、生成AIがどんなに高性能であろうとも指示を出せないからです。
目次
- 内製のRPAが成功した前提条件
- ChatGPTを使って自前でRPAできたこと
- できなかった部分
- 目指すRPAの完成までにかかった期間
- RPAの成果、楽天に初出店で転換率6%
内製のRPAが成功した前提条件
このプロジェクトを成功させたのは私のお客さんで、上述の通り自分でマクロを組む程度のITリテラシーがあります。また、APIを使って何ができるかとか、SQLで利益計算ができるという知識がありました。自分でソースコードをかけなくても、http通信の基礎知識がなくとも、こういう技術を使ってこういうことができるというイメージがあるということが重要です。
このRPAプロジェクトの肝は商品登録でした。そのため、商品データの収集、加工、登録に主眼をおいたRPAです。目的をはっきりさせることが大事なのです。この目的やイメージが明確でない状態で専門家に外注しても、RPAは成功しません。
ChatGPTを使って自前でRPAできたこと
では実際に、そのお客さんがChatGPTの駆使して自前でRPAできたことを一覧にしてみましょう。
- 楽天のAPI(rakuten web service)を使って指定の商品の最安価格を取得する
- SQLのtableのcreate。環境はGUIのworkbenchを使用
- 取得したデータをSQLに保存する
- 商品の説明文をAIに書かせてSQLに保存する
- SQLから楽天のAPI(RMS)で商品登録する
- SQLに登録された商品の最安価格を楽天にAPIで反映する
これだけのRPAを非エンジニアのお客さんがChatGPTで自前で作ったのです。お客さんが用意したPythonのソースコードを私は確認しましたが、保守に問題があることや、classが使われていないことやAPIキーをベタ書きしているなどの問題はたくさんあるとはいえ、とりあえずやりたいことが実現できているのです。
ちなみに「商品」とか「取得したデータ」とさらっと書いてありますが、約24万件の商品データを扱っています。スプレッドシートの運用では不可で、SQLでないと回りません。
できなかった部分
一方でお客さんが自分でできなかったこともあります。それを挙げてみましょう。
- ネクストエンジンのアプリ認証環境の構築とそのフロー
- サーバーのセキュリティ設定
- AmazonのSP-APIからの情報取得
- カラーミーAPIとSQLの連携
- SQLのtable定義の見直し
- サーバー間のデータ連携
ちなみに、お客さんができなかったことは私がやりました。SQLのデータ型の定義や、項目などは質があまり良くなかったので、重点的に見直しました。
余談ですが、今後AIエージェントが進化して、ECサイトのRPAのような機械的な業務は、まるっとAIが代行してくれるようになります。他社が作ったAIエージェントを雇うような感じです。自社のAIと他社のAIがやりとりするとか、そういう世界です。
目指すRPAの完成までにかかった期間
だいたい3〜4ヶ月くらいで、イメージしていたRPAを構築できました。ネクストエンジン、カラーミー、楽天、YahooなどのAPI連携をサーバーを母艦にして実装したのです。商品数は24万点と膨大で、関連するデータも多く、かなり高度なデータ連携を実現しています。
RPAの成果、楽天に初出店で転換率6%
そしてRPA完成の成果はすぐに出ました。楽天に初出店し、広告も使わず、無名の店舗が10日で80万円を売上げ、転換率は6%を達成しました。
このRPAの事例から分かる通り、最低限のITリテラシーがあれば、外部のITの専門化を協力しながらも、生成AIを使って内製でRPAプロジェクトが成功してしまうわけです。お客さんが自前で用意したRPAを外注したら、2年くらい前なら最低でも150万円くらいの開発費はすると思います。それだけの費用が浮くのですから、社内にIT人材のいないEC運営者にとって、かなり勇気の出る事例だと思います。
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